注目を集める「エアコン・リフレッシュ」ってナニ?

多くのクルマ好きから注目を浴びているのが、エアコンのリフレッシュです。夏の時期には必需品とも言えるエアコンですが、定期的なメンテナンスをする必要があるものなのでしょうか。今回は、エアコンのリフレッシュ・サービスの内容をご紹介しながら、そのメリットなどについてお伝えします。

こんな専用マシンを使います!

エアコンのリフレッシュサービスに使用するのは、高級工具ブランド「Snap-on」の最新マシン「PS134PRO」です。エアコンは、R134aという冷媒をコンプレッサーで圧縮し、その圧力を変化させて冷気を作り出します。クルマのエアコンでは、ガスと呼ばれる冷媒の量がグラム単位で厳密に指定されています。

ボンネット裏やエンジンルームのメンバーに、冷媒の種類と適正量を記したステッカーが貼られています。PS134PROは、システム内のガスを回収しながら純度を高め、適正な量を充填します。

冷媒のクリーン化と同時に圧力損失チェックも

冷媒の中には水分や微細なダストが混入していることがあり、配管やバルブの詰まりにつながることもあります。冷媒をクリーン化することで、そうしたトラブルを未然に防げます。

また、回収後には配管などの圧力漏れチェックも同時に行えるため、故障原因の特定にも役立ちます。

冷媒の量は、適正であることが重要なのです

長期間使用していると自然に冷媒が減っていることが多く、逆に補充しすぎて多すぎる場合もあります。冷媒が多すぎると、圧力が上がりすぎてコンプレッサーが自動停止することもあり、逆に効きが悪くなることもあります。

一方、不足していると常にコンプレッサーがフル稼働してしまい、燃費にも影響が出ます。ハイブリッド車では絶縁性の高い専用オイル(POE)を使用しますが、PS134PROはそれにも対応しています。

F56 JCWで施工してみました

イシカワエンジニアリングのデモカーであるF56 JCWにて施工。施工前の吹き出し口の温度は6度、回収したガス量は460g。規定量は480g±10gなので、わずかに不足していましたが、規定値にきちんと調整・充填。結果として吹き出し温度は3度台まで下がりました。

冷気の温度が下がることで、設定温度に達する時間が短くなり、コンプレッサーの稼働時間も減少。燃費の改善や、内部の不純物除去による故障リスクの低減も期待できます。

あとがき・・・

取材時、石川サンのご厚意で私のBMWでも施工していただきました。正直なところ、施工前に特に不満はありませんでしたが、規定量を下回っていたようで、施工後の帰り道には明確な違いを体感しました。

20〜22度設定でも寒く感じ、24度設定にしてちょうどよく感じるほど。除湿性能も向上し、窓の曇りも発生しにくくなりました。そして燃費も、リッター7.8kmから8.1kmへと改善。メンテナンスを放置していた分だけ、違いがはっきり出たのかもしれません。